プロパト

「抜擢」は必殺技か? それとも…組織崩壊の引き金か?

皆さん、こんにちは!
プロパト・代表の飯田です。

今日は「抜擢人事」について記してみようと思います。

「同期の○○さんがリーダーに抜擢されたらしいよ」
「大手から転職してきた○○さんが、いきなり事業部長になったんだって」

――こんな話、皆さんの職場でも一度は耳にしたことがあるかもしれません。

“抜擢”という言葉には、どこか先進的で革新的な響きがあります。

まるで経営者の“必殺技”のように使われることもあります。

実際、
「組織に新しい風を吹かせたい」
「未来を見据えた布陣を組みたい」
そう思う社長が“抜擢人事”に走るのも、よくある話です。

でも、ちょっと待ってください。

その「必殺技」――
抜擢されなかった人たちに、どんな影響を与えるか?
ここまで考えた上での人事でしょうか?

中小企業の第二創業期では、特にこの視点が抜けがちです。
変革モードにスイッチが入った社長ほど、
「俺についてこい!」とばかりに前へ突き進みます。
でも、そのスピードに周囲がついてこれないことも多い。

もちろん、抜擢された人材が優秀で、
周囲も悔しさを飲み込んで納得していれば問題ありません。

でも現実には――
表面上は納得しているように見えても、
裏ではモヤモヤが渦巻いている
そんなケース、少なくないはずです。

では、どうすればいいのか?

抜擢の「理由」を、幹部たちと共有することです。
一方的な“采配”ではなく、対話による“合意形成”へ。
「こういう想いがある」「なぜ今、この人なのか」
そんな社長の意図や信念を伝えることで、
「だったらこういう形ならうまくいくのでは?」
そんな前向きな提案が出てくることもあります。

抜擢は大切です。

でも、“抜擢という必殺技”が、
今いてくれている重要人物まで「必殺」してしまう
そんな事態にならないようにしたいものです。

“組織は人でできている”
だからこそ、決断だけでなく「共に考える対話の時間」もまた、大切なんです。

「面倒臭い」と思えることから逃げていては組織は作れまへんでぇ。

らしく 楽しく おもしろく