こんにちは、プロパト代表の飯田です。
今回は、少し耳の痛い話をさせていただきます。
でも、これは本気で「良い会社にしたい」と願っている経営者の方にこそ、届けたい話です。
幹部・管理者の“視線の先”を見ていますか?
一見、優秀で忠誠心のある幹部や管理者。
・やる気は満点
・報告はマメ
・会議では前向き
・数字にも敏感
・会社愛もあるように見える
でも、その人たちが「誰を見て仕事をしているか?」をよく見ると、“社長”ばかりを見ている──そんな組織には、ゆっくりと崩壊の兆しが忍び寄ります。
優先順位の歪みが、現場を壊していく
たとえば、こんな場面。←リアル事例です(^^)
お客様との大事なアポが入っていた幹部に、社長が「ちょっと打合せしようか」と声をかける。
その幹部はどうするか?
「すみません、今お客様との約束があるので…」と断るのではなく、迷わず社長を優先するという場面。
あるいは、
お客様との接待会食の場面、お客様より自分の会社の社長を接待しているという幹部もいます。
こうした判断が積み重なると、
・顧客対応より社長の機嫌
・現場より上司の評価
・正直な課題より、耳障りの良い報告
──という、ゆがんだ優先順位が組織に根づいていきます。
若手社員は、それを敏感に察知する
「この会社、もう終わりやな」
「頑張ってるのは社長のご機嫌取りだけか」
「現場の声なんて、上に届いてないんやろな」
優秀な若手ほど、こう感じて会社を離れていきます。
社長の耳に届くのは、心地よい情報だけになる。
社長に“気に入られること”が評価に直結する環境では、管理者たちから上がってくる報告は、どんどん“耳障りの良い内容”に偏っていきます。
・離職者の本音
・顧客からの不満
・現場の機能不全
これらの“経営にとって最も大事な情報”が、社長に届かなくなるのです。
もちろん、このスタイルの経営が「悪い」とは一概には言えません。
これは、いわゆる「カリスマ経営」の一種です。
社長が絶対的な力を持ち、全員が“社長の言葉”を軸に判断し、動いていく。
決断も早く、短期的には結果も出やすい。
このスタイルが合っている会社も、たしかにあります。
ただし、それは“理念経営”とは真逆の方向にあるのも事実です。
もしあなたが目指す会社が、
・現場を大切にする「現場主義の経営」
・社員を主役とする「自立型組織」
・顧客満足を高め続ける「価値提供型企業」
であるなら、社長のご機嫌取りが蔓延した組織は、その真逆です。
なぜなら、幹部の視線が社長に向いている限り、
顧客や現場の本質的な問題には目が向かなくなるからです。
そして着々と「目の前の売上目標をひたすら追い続けるだけの組織」へと進みます。
「誰を見て仕事をしているか?」が、会社の未来を決める
社長を見て仕事をしている幹部。
顧客よりも上司を優先する管理者。
評価されるための“発言”と“行動”ばかりが目立つ組織。
それは、社員の自立心を奪い、顧客満足を下げ、組織の活力をじわじわと失わせます。
だからこそ、今問い直してみてください
「自社の幹部は、誰を見て仕事をしているだろう?」
「この会社にとって、正しい優先順位とは何だろう?」
幹部や管理者の“視線の方向”を揃えること──
それが、組織をひとつにまとめ、顧客との信頼を築き、社員が育つ文化をつくる第一歩です。
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