プロパト

売上が下がると社内の不満が増えるのはなぜか?

皆さん、こんにちは!

プロパト・代表の飯田です。

 

会社の売上が下がると、社員の間で社内(会社や社員同士)に対する文句が増える——この現象に心当たりがある経営者の方は多いのではないでしょうか?

 

「最近、やたらと社内の不満が聞こえるようになった」と感じたとき、もしかすると、それは売上や仕事量の減少が原因かもしれません。

実際に、僕が関わった企業様でも「売上の低迷」と「社内の不満」がリンクしているケースを数多く見てきました。今回は、その具体的なエピソードを2つご紹介しながら、なぜこの現象が起こるのか、そしてどう対処すればよいのかを考えていきます。

エピソード①:製造業A社のケース

A社は金属加工を手掛ける製造業の会社。従業員は50名ほどで、長年安定した売上を維持していました。しかし、ある年に大口取引先の発注が大幅に減り、売上が前年の70%に落ち込んでしまいました。

すると、それまで聞こえてこなかった「社内の文句」が急増。

「なんでうちの会社は新規開拓ができないんだ?」

「社長は何を考えているんだ?」

「上司の指示が曖昧すぎる!」

といった声があちこちで飛び交うようになりました。

興味深いのは、売上が好調だった時には、同じような問題があったにもかかわらず、大きな不満として表面化していなかったことです。仕事が忙しいときは目の前の業務に集中していたのに、時間に余裕ができると、社内の課題がクローズアップされ、不満が噴き出してしまったのです。

エピソード②:リフォーム会社B社のケース

B社は地域密着型のリフォーム会社。社員数約30名の中小企業で、年間を通じて安定した工事受注がありました。しかし、コロナ禍の影響で一時的に受注が減少。すると、社員の間で不満が増え、社長に対する批判が出てくるようになりました。

「社長がもっと営業戦略を考えないとダメだ!」

「なんでこんなに案件が少ないのに、会議ばっかりやってるんだ?」

「うちの会社って、そもそもビジョンがないよな」

これまた暇になると愚痴文句不満(GMF)が噴出するという典型例でした。

なぜ売上低迷時に社内の不満が増えるのか?

この2つのケースに共通するのは、売上が下がり、仕事が減ることで「暇な時間」が生まれ、それが不満を引き起こす要因になっていることです。

仕事に追われているとき、人は「今やるべきこと(外)」に集中します。しかし、売上が低迷し、仕事量が減ると、余った時間の中で「なんでこうなったんだ?(内)」と考え始めます。すると、原因や責任を他者に求めるようになり、会社や経営陣、上司、同僚への不満が噴き出してしまうのです。

また、売上低迷時は経営層も焦りや不安を感じやすく、それが社員に伝播することで、さらに不満が増幅するという悪循環に陥ることもあります。

経営者としてどう対処すべきか?

売上が落ちてきたとき、社内の不満を抑えるために経営者ができることは、大きく3つあります。

①「何が起きているのか?」を社員に共有する

売上が下がっているときこそ、社員と現状を共有し、会社の方向性を示すことが重要です。情報が不透明だと、社員は不安になり、不満が募ります。「今の売上状況」「今後の営業戦略」「どうやって回復を目指すのか」など、定期的に伝えるようにしましょう。

②「今できること」に目を向けさせる

売上低迷時に「売上が減った」という事実だけを嘆いても、状況は改善しません。むしろ、「今できること」に焦点を当て、動きを作ることが大切です。例えば、営業なら新規開拓や既存顧客との関係強化、製造業なら新商品の開発や業務改善など、未来につながる行動を促しましょう。

③「挑戦できる環境」を整える

仕事が減ると、人は「やることがない」と感じやすくなります。そこで、売上が下がった時期こそ、新たな取り組みを促すチャンスと捉えるのも一つの方法です。「今こそ新しい営業手法を試してみよう」「マーケティングを強化しよう」など、会社としてのチャレンジを仕掛けていきましょう。

まとめ:社内の不満が増える時は「暇な時」である。「いそがしくなる」仕掛けを。

売上が下がると社内の不満が増えるのは、人間心理としてごく自然な現象です。しかし、放置すると組織の雰囲気が悪化し、さらに業績が低迷する悪循環に陥ります。

だからこそ、経営者としては「今こそ会社の方向性を明確に示し、社員にやるべきことを伝える」ことが大切です。売上低迷期を「ピンチ」ではなく「成長の機会」と捉え、社内の空気を前向きに変えていきましょう。

「最近、社内の不満が増えたな…」と感じたら、それは会社の変革が求められているサインかもしれません。あなたの会社では、今どんな空気が流れていますか?

 

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