プロパト

○○を忘れたコンサルタントに未来はない

プロパト・代表の飯田です。

コンサルティングという仕事をしていると、時折、自問することがある。

 

「自分は何様なんだろう?」

 

クライアント企業様の経営者や幹部に対して、時に厳しいフィードバックをする立場。

「このままでは会社が危うい」「この施策には改善が必要だ」——そう伝えることもある。

しかし、ふとした瞬間に思うのだ。

「自分は本当にわかっているのか?」

 

〈フィードバックは本気でなければ意味がない〉

10年以上前のことではあるが、長年経営してきた製造業の社長に、僕はこう伝えた。

「社長、この組織体制のままだと、2〜3年後に会社は停滞しますよ」

社長はじっと僕の目を見つめた後、静かに言った。

「……飯田さんは、この業界で何年やってきたんですか?」

そう、僕自身がその業界の現場で何十年も働いたわけではない。
でも、だからといって口を閉ざすわけにはいかない。
コンサルタントとしての役割は、“できる・できない”を超えて、相手の成長を本気で考え、伝えることでもあるから。

しかし、ここで重要なのは——

「どう伝えるか?」

偉そうなコンサルタントに価値はない。

たとえ的確な指摘でも、上から目線で言えば、相手の心には響かないし、届かない。
むしろ、「は? なんでお前に言われなアカンの?」と反発を生むだけ。

 

これはコンサルティングに限らず、どんな職場でも同じではないか?と思う。

部下に指導する立場の人も、同僚や後輩に助言をする人も、「自分の方が経験があるんだから」と傲慢に伝えれば、相手は耳を塞ぐ。

では、どうすればいいのか?

 

大切なのは「謙虚でいること」

コンサルタントは「答えを持っている人間」ではない。
むしろ、クライアント企業様の現場にいる人たちこそが、実際に汗を流し、苦しみ、試行錯誤を重ねながら操業している。

だからこそ、私たちが大切にすべきは、

「本当に何もわかっていないのは、もしかしたら自分なのかもしれない」

という視点だ。

相手の良いところはどこか?
すでにできている部分は何か?
それを理解したうえで、フィードバックをすることこそが、本当の意味での価値を生む。

 

「言ってやった」ではなく「共に成長する」関係へ

もう、「クライアント(指導される側) とコンサルタント(指導する側)」という関係性は終わった。
「言ってやった」「伝えてやった」「自分はなかなかすごいやろ」——
こんなふうに思うコンサルタントなら、正直、やめた方がいい。

これからの時代、必要なのは、
クライアント企業様と共に考え、共に悩み、共に前へ進む姿勢だ。

「コンサルタントだから偉い」ではない。
「経営者だから偉い」でもない。

 

本当に大切なのは——

「共に成長できる関係であること」

 

そのために、まずは自分自身が謙虚でいること。
そして、「自分は何様なんだろう?」と問い続けること。

それができないコンサルタントには、もう未来はない。

…と、

こんなことを偉そうに書いている自分はいったい何様なんだろう。

 

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