おはようございます。
株式会社プロパトのイシイです。
何か新しいことを始めようとするとき、
つい「足し算」をしたくなる。
新しい取り組みを増やす。
機能を増やす。
ルールを増やす。
何かが足りないから、
うまくいかないんじゃないか。
そう考えて、
どんどん新しいものを足していく。
でも本当にいいものほど、
足されているのではなく、
削られている。そんなことを思う。
僕は約10年間、
パティシエとして働いていた。
ケーキを作り始めた頃、
自分の作ったものに自信がないほど、
いろんなものを乗せたくなった。
果物をたくさん乗せる。
ギラギラしたチョコレートを飾る。
金粉をのせて、さらに何かを足す。
見た目だけを見れば、
華やかで綺麗だったと思う。
でもどこか「乗せすぎ」だった。
何を一番伝えたいケーキなのか、
自分でも分からなくなっていたのかもしれない。
一方で長年ケーキを作り続けてきた
一流のシェフが作るケーキは、
驚くほどシンプルだった。
飾りも少ない。
使っている素材も絞られている。
でもめちゃくちゃ格好いい。
そしてうまい。
何かが足りないどころか、
これ以上何かを足したら、
むしろ完成度が下がる。
そんなところまで削ぎ落とされている。
10代の頃は
「なんでこんなにシンプル
なのに格好いいんだろう」
と思っていた。
でも今になって思う。
あれは自信があるからできるんだと思う。
何を足せばよくなるかではなく、
何を捨てても成立するのか。
何がなくてもいいのか。
そして、最後に何を残すのか。
そこまで分かっているから、
削ることができる。
これは仕事や組織づくりでも同じだと思う。
何かうまくいかないことがあると、
新しい施策を始める。
新しいルールを作る。
新しい会議を増やす。
新しいツールを導入する。
どんどん足し算をしていく。
もちろん足すことが必要なときもある。
でも
「何をやめるのか」を考えることは、
それ以上に大切なんじゃないかと思う。
足し算は比較的簡単。
でも引き算には勇気がいる。
今までやってきたことをやめる。
必要だと思っていたものを捨てる。
やらないことを決める。
だからこそ、
引き算ができる人や会社には、
ある種の自信があるんだと思う。
そして僕は足し算と引き算だけではなく、
もう一つ大切なのが、
「掛け算」だと思っている。
何でもかんでも増やすのではなく、
引き算をして残った、
自分たちが本当に大切にしたいもの。
自分たちにしかない強み。
そこに別の強みを掛け合わせる。
そうすることで他にはない、
唯一無二のものになっていく。
足し算で可能性を広げる。
引き算で本質を研ぎ澄ます。
掛け算で唯一無二をつくる。
この3つを使い分けることが、
大切なんだと思う。
何でもやる。
何でも取り入れる。
何でも残す。
それでは、
人も組織もどんどん複雑になっていく。
だからこそ選択と集中。
何をやるのかだけではなく、
何をやらないのか。
そして残したものをどう掛け合わせるのか。
シンプルに見えるケーキほど、
実はたくさんの選択の末にできている。
仕事も組織もきっと同じなんだと思う。
足すことより、
削ることの方が難しい。
でも削った先に残ったものこそが、
その人やその会社の
「らしさ」なのかもしれない。
らしく 楽しく おもしろく