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中小企業の離職率改善法

今回は「離職率の下げ方」です。

中小企業において、離職率の高さで悩む経営者・幹部の方々へお伝えしています。

 

離職率を下げようとして、健康経営優良法人に認定、民間のホワイト企業ランキングインなど目指して

様々な取り組みをされている企業様も多いはずです。

 

それはそれとして…

そもそも「離職」と一言で言ってもいろんな「離職」がありますよね?

 

大きく分けると、「〇の離職」と「×の離職」

「〇の離職」とは、会社の文句や批判を陰でぶちまけていて、ないものねだりの人、どちらかと言うと…マイナスの影響を及ぼしている人の離職です。

こういう人については、「お互いの幸せの為に必要なお別れ」なので離職は問題なしです。

様々な環境に恵まれている大手企業でも目指して頑張ってもらう方がいいでしょう。

 

一方は、

「×の離職」とは、いわゆる「もったいない離職」のこと。会社の為に、チームの為にめちゃくちゃ頑張ってくれて成果も残してくれているような人の離職です。

しかも現・役職者であったり、いずれ役職者にしようと思っている人の離職のことです。こういう方の退職は痛い!願わくば、避けたいですよね?

「離職率を下げる」というのは、このもったいない「×の離職」を少なくしようという事です。

 

まずは、「離職のメカニズム」を知るために、マズローの5段階欲求説を使ってご説明します。

 

<マズローの欲求>の話で言うと・・・人の欲求は大きくは5段階に分かれているらしい。

  • 生理的:食事・睡眠
  • 安全:健康・経済的(心も、身体も)
  • 社会的:他者との関わり(職場での人間関係)
  • 承認:他人から認められたい(会社からの評価・報酬)
  • 自己実現:自分の本当にやりたいことの実現

全てが満たされていれば退職もないわけですが・・・

中小企業の多くの場合は、①②③が「離職の原因」です。

 

では、なぜか?

 

入社の際は④もしくは⑤を理由に入社している事も多いはず。

でも、現実は・・・中小企業の場合は特に、けっこうな劣悪な環境下で、仕事をせざるを得ないわけです。

 

でも、社長はこう言います。

「うちは社員を大切にしている会社だ」「社員の夢を叶えてあげたい」

 

しかし、その約束は守られることは少ない。

その約束を守られない姿勢に「見切りをつけた」社員の方々が辞めていくわけです。

 

「いや、こっちだって忙しいんですから」

「現場での改善は自分たちでやればいいじゃん」

と、社長も言いたい気持ちになりますが、ここに大きな問題があるということです。

 

このままいけばどうなりますか…?

 

離職が改善されることはありません。

大体、社長が幹部の責任にするので、幹部の離職も増えてくる可能性すらあるわけです。

 

では、一体どうすればいいか?

イロハで解説します。

 

イ)効率化(仕組み化)⇒簡単に言うと「捨てる化・見える化」

 

例えば、職場の掲示物。見られているのか見られていないのか?いつの時代の掲示物なのか?

みたいなものが社内に貼りまくられている会社もたくさんあります。もちろん、掲示物だけではありません。

社内で使われていないものや書類がそのまま放置されていることも少なくありません。

こういったものが、業務のムダを引き起こしているのです。必要なものだけ残し、後は捨てる!

これだけでも十分、業務効率は上がります。

 

一方、個人の実績を見ようとすると、

「PC電源ONにして、共有ファイルに入って、〇〇のフォルダの中の☆☆というシートを探る」必要があったりもします。

かなり潜らなければ到達できないようなシステムは、逆に非効率化していることになります。

「よく見る必要があるものは、オフィス内のホワイドボードに書いたりして物理的に“見える化”」をしておくだけでもムダは省けます。

 

是非、難しく考えず、一つ一つ捨てる化・見える化をやってみると良いかと思います。

 

ロ)コミュニケーションと関わり⇒日常の会話&定期的な対話

 

日常の会話については、例えば、上司からの挨拶や声がけがこれに当たりますね。

報・連・相がよりスムーズに行える日々の関係性づくりも大事ですね。

 

定期的な対話については、例えば「1on1面談」はまさにコレに当たります。

価値観が多様化している時代ですから、一人ひとりの仕事に対する考え方も当然、多様化しています。

一人ひとりに耳を傾けて、情熱を注ぐということも大切なことです。

 

ここまで来ると、どうでしょうか?

マズローの欲求の中では、①②③については満たされてくるのが実感できるはずです。

 

つまり、ここまではコストをかけずにできる「離職改善法」なのです。

 

そして、仕上げは、

ハ)評価制度と報酬制度(内的・外的)

 

これは、イ)ロ)の土台があって初めて成り立つものです。

土台なくして、ハ)だけ実施しても、離職率は改悪の一途を辿るだけですからご注意下さい。

 

 

よしっ!では早速取り組んでいくか~!

となりそうですが、

 

残念ながら、これらの取組みを経営側(社長や幹部)が一方的にやると、現場の想いとズレることが多いんです。

 

現場にマッチさせるためには、<観察とヒアリング>が超重要。

 

実際に職場に行き、実際にみんなの働き方を見て、実際にみんなの意見を聴くことから始めるしかありません。

そうして、見えてきたものについてイ)ロ)ハ)を行うことをお薦めします。

 

よその会社でうまくいったからって、自分の所でうまくいくことなんてありません。

社長も違えば、社員も違うわけですから。

 

自分の会社にマッチした「独自のカタチ」を作ることが最もうまくいくやり方だと思います。

是非、取り組んでみて下さい。

 

【余談】

この「離職率を下げる」取組みは、実は「いい職場づくり」に繋がります。

「社員の方々が、仕事にやりがいや誇りを持てる会社」へとなれるわけです。

そうすれば、離職率の改善だけではなく、「魅力ある会社」にもなれる。

そうなると、「入りたい会社」になるので、採用活動にも好影響であることは間違いありません。

中長期的な会社の成長にも繋がるというわけですね。

 

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