プロパト

チームの運命を分けるもの

こんにちは。

プロパト・代表の飯田です。

 

2年ほど前にあった実際のエピソードです。

クライアント企業様における社内PJミーティングで、ある役員の方からこんな言葉が伝えられた。

「チーム一丸となって頑張ろう!」

全員が力強く頷き、まるで映画のワンシーンのような団結感が生まれる。……はずだった。

 

だが、その後、PJメンバーであるA,B,Cさんの行動はどうだったか?というと…

Aさんは新しい取引先の情報を得ていたが、「これは自分の手柄になるかも」と誰にも共有せずにいた。

Bさんは、たまたま社長から聞いていた社内の重要な方針変更を知っていたが、「みんなに言うと面倒な質問が増えるし、静かにしておこう」と情報を握りしめていた。

Cさんは別の部署のメンバーから聞いた最新の業界トレンドを「これを言ったら自分の武器や存在価値がなくなってしまうかも」とこっそり温存。

結果、どうなったか?

 

それぞれが情報を抱え込んだままのPJチームとなった。

 

翌月のPJミーティングにて…

Aさんは「なんでこんな重要な話、誰も知らないんだ?」と文句を言われる。

Bさんは「そんな大事な方針変更、事前に知ってたのに黙ってたの?」と責められる。

Cさんは「もっと早く言ってくれれば、うちも違う戦略が取れたのに…」と恨まれる。

お互いに疑心暗鬼になり、協力どころかギスギスし始める。

——こうして「チーム一丸」とは名ばかりの、バラバラ集団が誕生したのだった。

 

そこで我々は、本当に「チーム一丸」になるために必要なこととは…?を考え、話し合っていただく機会をつくった。

約3時間の話し合いの末、決まったことは「情報をオープンにしよう!」だった。

 

では、情報がオープンになっているチームはどうなるか?

 

その日から、変化が起こり始めた。

 

「これは自分にメリットがあるかどうか…関係ないな。とりあえずみんなに共有しよう。」

みんなが積極的に情報を発信し、それを聞いた他メンバーがアイデアを出し合う。

みんな同じ情報を持っているから、議論の前提がズレない。

納得した上で決まった方針だから、スムーズに行動に移せる。

すると自然と、「お、じゃあ俺はこうするよ」「私はこっちの部分をやるね」と協力と連携が生まれてきたのだ。

もちろん、成果も出るし、成果が出た時の喜びを分かち合うムードもできた。

 

そうして、真に「チーム一丸」と言えるプロジェクトとして成長を遂げたのだ。

「チーム一丸」とは、ただスローガンを叫ぶことではない。

情報をオープンにすることで、初めて実現するものなのだ。

 

ただし、「自己中心的な発信」はNG!

何でもかんでも情報を発信すればいいわけではない。

「俺、こんなすごい情報持ってます!」「私がこんなにやったんですよ!」

——こうした自己アピール型の発信は、かえってチームの不協和音を生むから要注意。

大事なのは、「チームとして良い決断をするための情報共有」であること。

「この情報、役に立つかわからないけど、みんなの判断材料になるなら共有しよう」

どう活用するかはチーム次第だけど、知っておくといいかも

——このマインドこそが、「チーム一丸」を本物にするカギだ。

 

結論:「情報は閉ざすな、開け」

 

皆さんもぜひ考えてみてほしい。

今、「チーム一丸」と言いながら、自分だけ情報を握りしめていないか?

あるいは、周りのメンバーも「情報クローズ主義」になっていないか?

チームで戦うなら、まずは「情報のオープン化」から始めよう。

情報が開かれたとき、初めて本当の「協力」が生まれるのだから。

そうして生まれる「成果」は格別なものとなる。

 

 

らしく 楽しく おもしろく